シングルベッドをふたつ並べて家族四人で寝ている。
娘は小4、息子は年長さんになり、このところベッドがとてもせまい。
なんて書き出しで、その先を書かかないまま半年。
娘は小5、息子は小1になり、夏を前にしていよいよふたつ並べたシングルベッドを卒業することになった。
シングルベッドをひとつ処分し、そのスペースに同じようなタイプの二段ベッドを置く。
そうすると、これまでのシングルベッドふたつ分が下段になり、その上にシングルサイズの二段目ができる(まったく同じ型の二段タイプではなかったので、DIYで下段の高さを揃えた)。
これだけで基地感が醸し出され、子どもたちははしゃいでいる。
娘が上の段に一人、(これまでは左から母、息子、父、娘の四人で寝ていた)シングルベッドふたつ分のスペースに息子と父母の三人で寝る。
我が家の歴史が少し変わった。
私のお腹にドカッと乗っかってくる、娘の足の重みが日々増していくのを感じることはもうない。
(朝4時に)起きようとする私を行かせるまいと、寝ボケながらヘッドロックしてくることももうない。
寝返りもロクに打てないほどギュウギュウで、ギュウギュウ過ぎて夜中に目が覚める。
暗闇の中、「しあわせのせまさ」を噛みしめて微笑むことももうないのかと思うと、オヤジはとっても寂しい。
上の段の娘は、コーナーラックに自分の漫画を置いたり、「何回転がれるか数えるの」とゴロゴロしたり、一人の上の段を満喫している。
下の段の三人も広々寝ている、はずだった。
しかし現実は、空いた分だけ真ん中で寝る息子が縦横無尽に動き回り、親のスペースは前とたいして変わらない。
こうなる。
「しあわせのせまさ」は、まだもう少し続きそうだ。