私の体調

私の体調を世界にお届け!

2基のエレベーターと、歩くだけでもヒザがやられそうなマダム

f:id:suzukiyasumu:20180321061035j:plain

私の働くビルの受付のヨコには、2基のエレベーターがある。

 

そのエレベーターはとても古く、時々止まったり、人を閉じ込めたりする。

 

例によってある朝、右のエレベーターが1階で止まった。

 

ただ、扉が開く。

 

扉が開いて、中に入って、階数ボタンを押して、扉が閉まる、でも上にも下にも行かないという状態だが、開くボタンで開く。

 

左のエレベーターは普通に動く。

 

だがしかし、1階から上に行こうと▲ボタン(2基共通)を押すと、右の動かないエレベーターが反応して扉を開けるのである。

 

上がりも下がりもしないくせに。

 

それでも時々、左のエレベーターは勝手に1階まで下りてくるので、そのタイミングなら乗れますよ、と受付係の私は案内していた。

 

そこへ、歩くだけでもヒザがやられそうなマダムがやってくる。

 

私は同じ説明をした。

 

これまでは全員が階段へ向かったが、マダムは違った。

 

上へ行きたいはずのマダムは、黙って▼ボタンを押した。

 

左のエレベーターが魔法のようにすんなりやってくる。

 

「これで、中に入って階数ボタンを押せばいけるわよ」

 

壊れた右のエレベーターが▲行きで反応してる間に▼を押せば、正常な左のエレベーターの方が反応して1階までやってくるワケだ。

 

「ほらね?」

 

満足気な微笑みを残し、マダムは上へ上がっていった。

 

 

「エレベーターの乗りたさが違う・・・」と思った。

 

はい、おやすむ!