2020年9月11日(金)
気のせいでなく調子がいい。
日々回復を実感するこの心地よさよ。
少し前にNHKで立て続けにエヴァンゲリオンの劇場版のやつがやっていて、せっかくなので録画しておいた。
世代的には見てる世代なのだが、私は素通りしていて、初めてまともに見た。
思ったのは、「こういうのは、見るならちゃんと盛り上がってる時に見た方がいい」ってこと。
だいたいが、若い時にリアルタイムで食いつかなかったモノを、(当時からの評判を踏まえて)おっさんになってから見ても、なんとなく「どれどれお手並み拝見」みたいな、なぜか上から目線で受けて立ってしまって、全然純粋に楽しめない。
時々出る名ゼリフっぽいフレーズも、シンジくんのナイーブさや綾波の謎めいたキャラ設定も、ライトなお色気描写も、意表を突いた感じのBGMも、いちいち庵野監督の顔が浮かんで、すべて「あざとさ」に変換しちゃって。
そんなこと言い出したら、アニメだろうが小説だろうが、フィクションのストーリー作品楽しめないだろっていう。
なので、エヴァンゲリオンに恨みもなにもなくて、問題はこちらサイドの歪んだモノの見方だ。
そもそものところで言うと、私は子どもの頃から(巨大)ロボットものをスルーし続けてきた。
だいたい巨大ロボットなんてもんは、もし本当に必要なら今の技術でできないもんでもないのに、現実社会で一切発展しないということは、社会に求められていない代物なのだろう。
そんな、現実の社会に求められてもいない世界観の中で、(特にロボットものに限って)ノリがマジなのである。
マジメにやってればやってるほど、「いやロボットって!」ってなる。
響くも刺さるもあったもんじゃない。
小さい頃は、社会がどうなんて考えてはいないはずだが、幼心に「ロボットとマジのミスマッチ」を肌で感じていたのかもしれない。
ガンダムとかマクロスとかパトレイバーとか、みんなマジだ(知らないけど多分)。
まずそこで、入り込めない。
だったらなんで見たんだよと言われれば、だからこそエヴァンゲリオンに期待したのかもしれない。
新しい時代のロボットアニメを見せてくれるのではないかと。
20年ぐらい前のやつだけど。
すでに述べた通り、私の期待は裏切られた。
まともに見たと言ったがウソだ。
3作品のうち2作目の途中からダレてきて、3作目の序盤で「こんな気持ちのままエヴァ(の世界観)に乗り続けるなんてできないよ!」と、私の中のシンジくんが叫んだ。
アスカが「だからあんたは七光りなのよ!」と挑発する。
もう一人の飛鳥は「ヤ~ヤ~ヤ~~♪」って歌ってる。
綾波も一緒に拳を突き上げて歌ってる。
バンダナにサングラス姿で。
画面の中のシンジくんが言葉を発したのとほぼ同時に、私はリモコンの削除ボタンを押した。
「逃げちゃダメだ」